自治体の予算の動きを知っておこう

地域

アニメ地域おこしでよくでてくるプレイヤーが地方自治体です。
地方自治体は「年度単位」の予算で動く組織なのであると急に自治体の職員に「アニメのイベントをやって地域おこしをしたい!」といっても「計画にないからできない」といわれてしまいます。

自治体は1年前に次年度の計画を作って、その計画に沿って動くという性質のある組織です。
計画を立てて動くからこそ、ある程度適切に予算を使うことができる、という仕組みになっています。

自治体の予算の流れを知っておくと、自治体と一緒にアニメ地域おこしをする場合、どのような動きをすれば良いのかが見えてきます。
上の図を見ながら自治体の予算の動きを見ていきましょう。

■予算計画策定は1年前の4月から7月くらい

すごくすごく大事なことですが、自治体の予算の計画が作られるのは1年前の4月から7月くらいです。
自治体の下部組織、第3セクターや、産業振興協会とか、文化財団とか、観光協会などは自治体に1ヶ月くらい前に予算の提出をする関係上、6月くらいまでに予算を作成します。

そして、7月下旬くらいから8月にかけて自分の部署内(自治体によっては局、自治体によっては部となります)でレビューがおこなわれ、何度か差し戻しされて修正した上で財政局(財政部)に行きます。
このレビューですが、上長にわかりやすく書くことがレビューを通すコツになるので、尖った企画部分は「わかりにくい」と判断されて削られて行きやすいです。
結果的に誰にでも説明しやすい「よくある企画」となってしまうような仕組みになっています。

その後、財政局で確認、予算編成作業の中で財政と各部局との調整が行われます。
予算案ができたら、議会(予算審査特別委員会とかそういう名前が多い)で承認され、次年度の予算が固まります。
そして、4月から予算が使える、という状態になります。
議会で予算が確定するまではあくまでも「計画案」なので動くことはできません。
議会承認があってはじめて、行政は動き出すことができます。
ですので、早いところでも3月に動き始めて、お金を4月から使う、という流れになります。
よくあるケースでは年度が替わって4月から動き始め、6月くらいまでに発注先の業者選定をし、その後予算を使って動く、という流れになることが多いです。

■すぐには予算は動かない

よほどのことがあれば補正予算などもありますが、アニメ系で動く場合は補正はあまりでないと考えられますので、行政からの予算が欲しい場合は1年以上前から行政と調整した方が良いです。
イベントなどであれば行政から受託を受けて「仕事」として動くことも可能です。
行政は計画時点で発注できそうな企業をあらかじめ目星を付けることが多いので事前に行政と調整して「もし予算が通ればうちは見積&提案しますよ」と伝えておくことも大事です。

補助金のような形で、半額や2/3補助、というものになるケースもあるでしょう。

どちらにしても、行政の予算というのはすぐに動くことはないので、もし行政と一緒に動きたい場合は1年以上前からしっかり仕込むことが重要です。

さらに、行政のキーマンは3年から5年くらいで部署異動することがほとんどなので、一度仲良くなってもあまりしっかりとした引き継ぎなく次の人になって発注先の業者もコロッと変わることも多いです。
特に人口10万人規模を超える自治体の場合、担当が変わると内容も大幅に変わることが多いので、注意しておきましょう。