アニメショップよりお土産屋さんをターゲットにしよう

アニメビジネス 地域

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アニメ地域おこしで、ものすごいポテンシャルがあるのが「お土産流通」です。
これまで、アニメグッズというのはアニメショップなどでの販売がメインでした。
コンビニなどでの大規模流通も増えてきましたが、そこに至ることができるのはビッグなコンテンツだけです。
しかし、アニメ地域おこしの観点で見ると、たとえビッグなコンテンツでなくても大きな流通を使うことができます。
それがお土産です。

■アニメイトなどでは低価格商品中心

アニメイトなどのアニメショップはメインターゲットが中高生メインとなるので実は客単価が低い、といわれています。
売れ筋商品も数百円のグッズが多いです。
数百円の商品から利益を出す必要があるので、ある程度数がさばける商品が多くなります。
そのため、品物の入れ替えも激しく、今アニメをやっているようなそこそこの規模のコンテンツがメインとなります。

■お土産流通は違う

お土産ショップや道の駅、高速道路のサービスエリアなどで販売されているものは客単価が数百円から2000円弱くらいまで金額が上がります。
アニメショップで販売するグッズよりも客単価が大きくなります。
また、お土産ショップや道の駅の場合、地元の調整だけで流通がなんとかなる場合が多いです。
さらに、お土産ショップや道の駅は直接のやりとりができることが多いので、卸を入れずに利益率の高い商品を販売することもしやすいです。

なにより素晴らしいのは、お土産ショップでは「物珍しさが受けるのでマイナーコンテンツも喜ばれる」ということです。
アニメファンの人は「せっかくなのでお土産物も自分の好きなジャンルの可愛い(とかイケメン)のキャラものを買っていこう」と考える人も多いです。
たとえば自分たちで作ったアニメ化していない商品などもお土産ショップにおいていれば買ってもらえる可能性が高まります。
また、お土産ショップなどでアニメキャラクターは「目立つ」存在なので比較的目を引きます。
地方の人は、利益率の高い商品が、売れる場所をお土産や道の駅、という形で持っているのです。

■サービスエリアは流通を理解することが大事

お土産ショップや道の駅は地元の運営が多いので直接取引しやすいですが、高速道路などのサービスエリアで販売を行う場合は別ルートの開拓が必要になることが多いです。
サービスエリアなどはエリア毎に大規模な仕入れを行っていることが多いので、卸を通じての販売をする必要があることが多いです。
身近に高速道路などでのお土産やっている人がいないか色々聞き回ってみてください。
そうすると、卸が必要であること、その卸をやっている会社はどこかとかを教えてもらえるかと思います。
卸を通すことで大規模に流通ができるのがサービスエリアでのお土産流通です。

ただし、注意点もあります。
サービスエリアは地価が高いのと卸を通すという2つの大きな流通コストがかかるので、原価をかなり抑える必要がある、ということです。
自分のお店や知り合いなどの身近な流通をメインで使っている地方の人は「原価上げていいものを売ろう」という意識が強いことがあります。
ただ、サービスエリア流通を考えると原価を3割程度に抑える必要が出てくるので、かなり商品について調整を入れる必要がでてきます。
サービスエリアで売られているお土産物が似たようなのが多く、道の駅では面白いお土産を売っていることが多い理由は、サービスエリアは原価構成をかなりシビアに考えなければならないので作ることができるものが限られてくるから、なのです。
ただ、サービスエリアの流通が使えるようになると一気に販売場所が広がるので「ロットを大きくできる」というメリットもありますし、上手く使えば大きな利益を得ることが出来ます。

■普段買わないグッズもお土産なら買う

お土産流通は地域の人にとっては「当たり前」のように感じるかもしれませんが、アニメグッズ、オタクグッズを売る面から見るとメチャクチャ「大きな市場」といえます。
上手く地域で展開するとどんどん広がりがでてきます。
今では地方のゆるキャラのグッズなどはどこのお土産屋さんでも見ることができるようになりました。
ゆるキャラ以外にも、アニメキャラについても今は買う人が多いのでこれからの大きな市場と言えます。
その市場が目の前にある、というとてもチャンスが広がっている良い状態です。

お土産物という「テンションが上がっているので【記念】として珍しいものを買う」というお客さんの気持ちと、アニメキャラのグッズというのは非常に相性が良いです。
諏訪姫というキャラクターがいますが、そのキャラクターは長野の諏訪地方でミニフィギュアを展開しています。
ミニフィギュアがお土産屋さんで売っていることで今まで諏訪姫を知らなかった人も買って行く、ということがあり、どんどん広がっています。
このように「お土産流通」を使うと大きな市場を掴むことができます。
諏訪姫のプロジェクトは諏訪以外の地域にも地元キャラクターを作って広げていき、お土産流通を上手く使って大きくなっています。

お土産流通は地域の人にとってものすごく使える売り場開拓方法です。
ぜひ、アニメ地域おこしをする場合はお土産として売ることを積極的に使っていってください。