アニメ地域おこしでは規模の大きいコンテンツを取り扱うケースと規模の小さいコンテンツを取り扱うケースの2パターンがあります。
たとえば、鬼滅の刃や呪術廻戦のような規模の大きなコンテンツではコラボをすることで多くの顧客に告知することが可能です。
それとは逆に、1人が5人を呼び込むような小規模だけれども確実なコンテンツを使うこともあります。
例えば同人誌即売会などがその最たる例で、1人が5んを呼び込むコンテンツが50集まれば、合計250人が集まる、というような形になっています。
今回はこの1コンテンツが5人を集めるような小規模コンテンツについて見て行きます。
■実は強い小規模コンテンツ
絵師100人展という、成長中のイラストレーター100人のイラストをまとめて展示する、というようなイベントがあります。
このイベント、拡散力がとても強くイラストが好きな人に一気に広がりました。
1人のイラストレーター毎に5000人から数万人のtwitterフォロワーがおり、それぞれが個別に宣伝した結果ものすごい広告効果となったのです。
ここまで個人の宣伝で広がるコンテンツはそれほどありませんが、同人誌即売会などでも同じような宣伝効果が出てくる物は多いです。
1人が5人なり10人のお客さんを連れてくる、というコンテンツが集まるとものすごいパワーを発揮します。
同じジャンルで上手く集まることが重要で、集まることでファンの人も「このイベントはメチャクチャ自分の興味のある部分を掘り下げてくる、行きたい!」という気持ちになります。
また、そのジャンルに興味を持ったファンの人が来てくれるおかげで参加した出展者にとっても新しファン獲得の機会になります。
■小規模コンテンツは切り口次第
小規模コンテンツの強いところは「繰り返しイベントをやったらどんどん人が増えてくる」ことにあります。
一度イベントをやって好感触な場合、同じイベントに同じ人が出展してくれるようになりますし、その際に新しいコンテンツを持ってきてくれることが多いです。
同人誌即売会の場合は新しい同人誌やグッズをもってきてくれます。
また、出展する人が宣伝を行うことでクチコミで広がるので同じ界隈にいるクリエイターが興味を持ってくれ、そして次の回には参加したい、という人も増えていきます。
イベントを東京にやらずに地方でやっても面白いものには人が集まりますので、規模も大きくなっていくものも多いです。
切り口の良いイベントにすれば広がりが出ていくのが小規模コンテンツが集まったイベントなのです。
■クリエイターの発表する場を作る
小規模コンテンツのクリエイターは「発表する場」を求めていることが多いです。
コスプレイヤーは写真を撮りますが、その写真を発表する場はあまり多くはなくネットでの発表や同人誌即売会で写真集を売る、という形になることが多いです。
ここでコスプレ写真展示とかのイベントを企画するとコスプレイヤーの中には喜んで展示に協力してくれる人もでてきます。
このように「クリエイターの発表する場」を上手く構築するという目的を作ってそのためにイベントを企画すると「小規模コンテンツが集まって人が集まるイベント」を組み立てることができます。
宮城県白石市では東北ずん子スタンプリーで、2次創作で東北姉妹を描いてくれるイラストレーターの等身大パネルを作る、というチャレンジをしています。
こうしたクリエイターの発表する場があることでクリエイターのファンの人にも喜んでもらえるイベントに仕上がり、人も集客できてなにより「ここでしか見れない、参加して楽しいイベント」に仕上げることができます。
■続けることが重要な小規模コンテンツの集合体
小規模コンテンツが集まると最終的には大規模コンテンツを集めたイベントよりも大きなイベントに成長していきます。
コミケがまさに最たるもので日本国内のオタク系イベントの中で最大級の人の集まりになります。
大規模コンテンツを集めてもこれほどの集客になりませんが、万単位の出展があることで最終的に何十万人もの集客ができるイベントになっています。
1人1人が呼ぶ人は実はそれほど多くはありませんが、集まることで最終的にすごくパワーのあるイベントになります。
大事なことはクリエイターが発表する場を得ることで、その結果少人数であってもファンが集まり、そして展示するクリエイター、ファンの双方が満足する結果次に繋がってそして広がっていくという形です。
これこそがコミュニティの発展の形です。
地域の人はもともとマーケティングで伊地知的に爆発させるやり方よりも、コミュニティを形成することで事業なりイベントなりを発展される能力には長けているのでこの小規模コンテンツが集まるやり方は(継続して発展できるという面も含めて)適していると言えます。