同人誌即売会を主催してみた

地域

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アニメ聖地巡礼で現地に人を呼んで経済を回す、という流れを作る上で有用なイベントだと感じているのが同人誌即売会です。
即売会ではみんなが作品を持ち寄って販売します。
そこでしか手に入らないものがあるので、遠方の人でもそこを訪れます。
東京でやればもちろんたくさんの人が集まりますが、地方でやる即売会に東京の人が足を伸ばすということも多いです。
どこでやるにしても「そこでしか手に入らないなら行く!」という人が一定数いるのです。

艦これなどは地方で即売会が色々開かれ、そしてそこに訪れる人が多数いました。
また、メジャーな同人誌即売会を誘致することで町おこしをしている地域もあります。
今回は、私が即売会を仲間と一緒に開いた経験があるオンでその時にやったことを一通り記載していきます。

■即売会を開くための準備は?

さて、私も仲間と一緒に「ビズケット」という即売会を開いたことがあります。
ビジネス系のノウハウをみんなで見せ合おう!という即売会で、同人誌ではありますが2次創作などではなく1次創作の即売会を開きました。
40~50ブースくらいがあつまって結構賑やかにできました。
そこで準備したのは以下の事です。

(1)会場の確保
会場はとても大事です。
特に重要なのは広さで「少し広すぎる」会場をあえて借りました。
広すぎる分にはパーティションなどを使って控え室を作るとかなどにすれば問題は起きないからです。
狭いとブースの申し込みが増えすぎた場合や人が増えすぎた場合にどうしようもなくなるので、ちょっと余裕を持つというのがコツと他のイベント主催者なども言っています。
ただ、あまりに広いと会場代が高くつくので、そこはお財布と相談しましょう。

(2)出展者の募集
出展する人がいないと即売会は意味がないものになります。
出展する人がいてこそ買いに来る人も増えますので、出展する人をいかに増やすかがポイントになります。
我々の場合、ビジネス系のノウハウを集めるのが目的だったので「本を作らなくても良い」というルールにしました。
5ページから10ページくらいの資料をホチキス止めでいいので持ってきて、それを500円とか1000円で売る、という形にしました。
そうするとビジネスマンは普段から資料を作り慣れているので、参加者が増えました。
知り合いをベースにかなり積極的に誘った結果、40から50ブースになりました。
また、クラウドファンディングやPeatixをつかって出展料を振り込んでもらいました。

(3)ブース配置
申し込んでくれた人のブース配置図を作ります。
申し込み内容を見ながら、ある程度ジャンル分けをして近いジャンルに並んでもらうヨウニしました。
初チャレンジだとジャンル分けがなかなか難しいかと思います。
長年やっているところではジャンルの分けなどがノウハウ化されているので、1000ブースを超えていても速いスピードで配置図が書けるようです。

(4)テーブルや椅子の借り入れ申請
ブースの配置をするためにはテーブルや椅子をレンタルする必要があるので調達しました。
会場がその辺りを貸し出しているところを使ったので比較的楽でした。

(5)宅配の準備
ヤマトの集荷場や郵便局に連絡を入れて前日の夕方や当日の朝に届けてもらうよう調整する必要があります。
また、帰りに宅配で送りたい、という人もいるので着払い伝票もたくさんもらっておき、当日の夕方に集荷してもらう調整も必要になります。

(6)営業活動
他の似たような即売会に参加して営業活動するのも効果的です。
ブース出展している人でビジネス系の人がいたら声をかけて出展してもらうよう調整したり、他の即売会でチラシを置かせてもらったりポスターを貼らせてもらったりします。

(7)当日イベントの企画
即売会だけで済ませるのもいいですが、集客に繋がるようなイベントもやってみると良いかもしれません。
ビズケットでは、ディスカヴァー・トゥエンティワン社の社長や他にもビジネス書の編集さんなどを呼んでのイベントを行いました。
広い会場を抑えていたので、イベント用の場所は即売会の場所とはパーティションで区切られた隣の場所でやりました。
もし、即売会の申し込みが100ブースとかになっていた場合、急いで片付けをしてイベント会場にすぐ切り替える段取りにするところでした。

(8)出展者に段取りの送付
出展者に荷物の出荷方法から当日の段取りを送付します。
出展内容のアンケート行い、ホームページに反映したり、ブースの配置に反映させたりします。
また、ブースが決まれば出展者にブースの位置なども連絡していきます。
荷物の送付先なども連絡をします。
特に荷物の送付内容は記載されていないとトラブルの原因になりますので、しっかりと告知をしていく必要があります。
(ブース名を段ボールに記入してもらうなどはかなり重要です)

(9)ホームページの作成
ブースの配置やイベントの開催時間、イベント開催場所などを記載したホームページを作成します。
地図が必要な場合は地図なども入れます。
どんな出展があるのかわかると、参加者も増えるのでしっかりと記載していきます。

(10)イベント告知
出展者だけではイベントにならないので、購入してくれる人に向けての告知を行います。
また、告知を行うことを出展者の人にも向けて行います。
出展者の人の宣伝が増えるとイベントに来たい!という人も増えていきます。

(11)会場設営
我々は前日の夕方に会場設営を行いました。
主にテーブルとイスを並べる作業です
ちなみに、テーブルの上にパイプイスをたたんだ状態で置く配置にすることが多いです。
パイプイスがテーブルの上に置いたままの場合、出展者が来ていない、というのが目に見えてわかるからです。

(12)当日の運営
当日、出展者や参加者ともにいろいろとわからないことが出てくるので見回ったり、主催者ブースを設けてそこで対応する作業が発生します。

(13)当日のイベント運営
ゲストを呼んでのイベントをやったので司会や人の誘導なども行います。

(14)片付け&掃除
イベント終了後に片付けを行います。
実は参加してくれた人の何名かが手伝ってくれました。

(15)宅配の集荷対応
宅配の集荷対応も必要です。正しく集荷できるように宅配伝票に記載がされているか確認します。
当日に現金のやりとりをすると大変なのですべて受取人払いの伝票で対処します。

(16)ゴミ出し
イベントをやると段ボールや弁当などのゴミが色々とでます。
それらを捨てる処理が必要です。
車がある人の場合、ゴミを持って帰って処理する場合もあります。
我々は施設の方で有料で引き取ってくれるサービスがあったのでそれを使いました。

(17)打ち上げ
イベント終了後に手伝ってくれた人を含めての打ち上げを行います。
ボランティア参加者は無料で打ち上げに参加できるようにすることが重要です。

(18)会計処理
イベントにかかった費用や、出展料や参加料(我々の場合は参加料ゼロ円でしたが)を集計してイベントのお金面での成果を見ます。

ざっと上記のようなことをすればイベントが実施できます。

■イベントをやった感想

ビズケットについては3人が主催者となって動いたのでなんとか回すことができました。
全員がプロデューサー体質なので、割り当てられた業務があるとしっかりとタスクに切り分けて回すことができたのも良かった点です。
通常、プロデューサー体質の人はなかなか集まらないので、誰か一人に判断や調整が集まってしまい、作業が集中することが多いです。
よい仲間とやったことがハードになりすぎずに成功した要因かと思われます。

また、ビズケットを開催することで新しい出会いも生まれました。
そこで出会った人とビジネスの調整をしたというのをいくつも聞いています。
ビジネス系の即売会だったおかげでビジネスの促進に動いたのは良かったです。

オタク系の即売会をするとオタク系のつながりがもちろん強化されるので、アニメ地域おこしの場合はやはりアニメ系でやるのが正解かと思われます。
また、オタク系の人の方が即売会慣れしているのでボランティアも集まりやすいです。
実際にビズケットはビジネス系でしたが、ボランティア参加してくれたのはオタク系の人が多かったです。
オタクであることはとても即売会を起こすことについてメリットになるので良いことと言えます。

同人誌即売会は2次創作のものもあれば、1次創作メインの即売会もあります。
また、同人誌とせずに「地方のキャラクターが集まる即売会」とかそういった企画も出来ると考えています。
別のところで知り合いが「地方の萌えキャラが集まる即売会」を開いたときに参加させてもらいましたが、結構お客さんも来てくれて良い会となりました。
そういった自分が関係しているコミュニティでイベントを作る、というのは効果的なのでチャレンジする意味はあるかと思います。