補助金漬けになるとアニメ地域おこしは止まってしまう

地域

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アニメ地域おこしと行政からの補助金はとても相性が良く、そして相性が悪いものです。
行政は色々と補助金を作ってくれるのでたとえば文化庁の補助金や、自治体の補助金などいろいろと「事業を立ち上げる際に使いやすい」ものがでてきます。
コンテンツによる地域おこしは今熱い分野なので様々な補助金が出て来ます。
その補助金、上手く使いつつ、上手く使わないように距離をとる必要があります。
どういうことか説明してきます。

■補助金のテーマは毎年で変わる

事業を始めるときに補助金や行政からの委託で開始する、というのは良い方法と言えます。
お金の心配が行く文化減ることでチャレンジができるからです。

ただし、毎年補助金がもらえたり、毎年委託事業者になれるかというとそうはいきません。
補助金に採択されるかどうかは100%ではないので、毎年必ずもらえるものとは限らないからです。
行政からの委託事業についても、そもそも事業を行うかどうかは行政の判断になりますし、委託する事業者に選ばれるかどうかも行政の担当次第になるからです。
なので、補助金や委託事業をもらえないリスクを考えて行動する必要があります。

また補助金ですが、同じテーマで補助金がずっと続くことは少ないです。
たいていは3年くらいで大幅な見直しが入ります。
つまり、消えゆく事業になりやすいのです。

■補助金は縛りも多い

また、補助金には様々な縛りがあります。
商業に関係する補助金なのに「個別の店の宣伝ができない」とか「人件費にお金が使えない」とか「カメラやパソコンなどの汎用的な設備にお金が使えない」とか補助金毎にさまざまな制約があります。
こういった制約に全部会わせていくと「尖ったことができない」という状況になりやすいです。
ところが、アニメなどのコンテンツを使った地域おこしでは「尖ったことをやることが評価される」というのが特徴です。
つまり、補助金のお金の使い道と、コンテンツを使ったアニメ地域おこしでは「お金の使いどころの相性が悪い」部分がでてきてしまうのです。
特に、アニメ地域おこしは繰り返しやればやるほど「尖った部分をより尖らせる」ことが増えていきます。
そのため、やればやるほど補助金との相性が悪くなりがちです。
補助金によって新しいチャレンジが阻害され、ファンも増えなくなって、結果事業が縮小していくことも多いのです。

■スタートダッシュには最適

補助金について行政の視点からも見てみましょう。
行政としても「民間事業者を補助金漬けにしたい」とは考えていません。
「何か新しいことをやるキッカケに補助金を使ってもらって、あとは自走してもらいたい」と考えて補助金を作っているケースが多いです。
だから、民間向けの補助金でも「新商品開発」とか「新設備導入」とかに補助金が出やすいのです。
スタートダッシュとして使って、あとは自分たちで動かす、という使い方をやるために補助金はあるのです。
補助金目当てで行動をしてしまうと、いつか補助金額なったときに事業が消えてなくなりますので「あくまでもスタートダッシュのための補助金」と考えるのが正解なのです。
また、新しいチャレンジは失敗しやすいものですので、自分のお金だけではチャレンジしづらい、だから補助金などで手当てしてもらう、という仕組みになっています。
上手くいく方法がわかれば、補助金を使わない方が良いのです。

■あらかじめ補助金をもらわずに事業が成り立つ方法を考えよう

スタートダッシュとしての補助金は有用ですが、その後は自立して行動できるようにお金の計画を立てていくことは本当に重要です。
自立し始めると自由度も増えてできることも一気に広がります。
補助金をもらうと「やりたくないことをやらなければならない」ということも増えますが、補助金をもらわなければ「やりたくないことをやらなくても良い」という状態になり、プロジェクトに対して動ける時間も増えます。
今ではクラウドファンディングもありますし、サロン型の月額ファンクラブなどもありますし、ネット通販とか、Peatixのように有料イベントを簡単に立ち上げるサービスもあれば、イベント物販とかいろいろやりようはありますのでその辺りを組み合わせて「稼げる事業」に育てていきましょう。