自治体のポスター、チラシなどの広報物を活用する

地域

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アニメ地域おこしをやる際に自治体との連携で効果的なのは「広報ポスターの配布」を自治体にやってもらうこと、です。
自治体は様々な広報ポスターを作成します。
消防であれば防災キャンペーン、警察であれば交通キャンペーンなどのポスターを様々なところに掲示します。
また、ポスターだけではなくチラシなどの配布も多数行っています。
こういったところに、キャラクターを入れるように調整することで、キャラクターの認知を地域に広げることができます。
また、人気のあるキャラクターを使うことで広報効果の拡大も期待できます。

■地域に根ざしたキャラクターがある場合は、日常業務にキャラクターを組み込んでもらう

地方で活動しているキャラクターは自治体の職員と仲良くなったり、関係性を築くことで「広報物にキャラクターを使用してもらう」という流れを作ることができます。
たとえば、東北ずん子ですが仙台市の消防のポスターなどに採用されています。
また、一関市のもちサミットのポスターなどにも採用されています。
こういったポスターや配布物に採用されることで、地域に根ざしたキャラクターとして一気に認知が広がります。
また、自治体としてもある程度造形がしっかりしているキャラクターを使うことで、告知したい情報をしっかりと認知してもらうことができ、Win-Winの関係になることができます。

■戦略的にやっている運営も

京都市営地下鉄では「地下鉄に乗るっ」というご当地コンテンツを展開しています。
この「地下鉄に乗るっ」のアニメを制作した魚雷映蔵の代表取締役 佐野リョウタさんに地域でのコンテンツの広げ方についていろいろとヒアリングさせていただきました。
その中で「年間の業務としてポスターや広報媒体の作成のスケジュールに地下鉄に乗るっのコンテンツを組み込むことで定期的にコンテンツが提供される機会を作っている」という話がでてきました。
自治体の業務は年間のスケジュールが前年度にだいたい組まれていきます。
その中で「あれをやる、これをやる」というものをあらかじめ地下鉄に乗るっのコンテンツを使って広報することをあらかじめ組み込むことで「長く続けられるコンテンツ」として成長させていく、という状態を意図的に作っているということでした。

地下鉄に乗るっは京都市営地下鉄が自主的に運営しているものなのでコンテンツとして使いやすく、また地元にデザインする人もいるので発注もしやすい状態となっています。
広報ポスターは業務として作ることがそもそもあるものなので、そこにしっかりと計画段階から地下鉄に乗るっを組み込むことでユーザーが飽きない、コンテンツが続いていて新しい発信をしていき、そして話題になる、という流れを作っているとのことでした。

■自治体からお金をもらうのではなく、自治体の資源を一緒に活用していくのが今後の広げ方

自治体と民間が手を取り合って活動する、という事例が徐々に増えてきました。
この自治体連携で大事なことは「お金をもらおうとすると大変だけれど、自治体の資産を使うことは比較的やりやすい」ということです。
自治体が制作するポスターやチラシなども、自治体に協力し広報力を上げる形で提案できるのであればコンテンツの広報媒体となりつつ、自治体の広報物の効果を上げる、というお互いにメリットのある展開をすることもできます。

自治体が制作するポスターや配布物はアニメ地域おこしをするにあたってはとても効果のある媒体と言えます。
自治体職員と関係性を作って信頼関係を築いて、そして自治体の広報効果を延ばすような提案をして行きつつ、地域でコンテンツがあふれる状態を作っていきましょう。